経済産業省・中小企業庁

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

全国中小企業団体中央会 | 最終更新: 2026-03-30 | 第23次公募(電子申請2026/4/3〜、締切2026/5/8)。※令和8年度(2026年6月頃〜)「新事業進出・ものづくり補助金」に再編統合。3枠構成、予算2,960億円。第1回公募は2026年6月頃開始予定

補助上限額

最大3,500万円

補助率

小規模事業者: 2/3

小規模以外_通常: 1/2

再生事業者: 2/3

申請枠

製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型)グローバル枠

審査基準・評価ポイント

技術面: 取組内容の革新性、課題解決の妥当性、技術的能力

事業化面: 事業化見通し(市場ニーズ、競合優位性、収益計画の妥当性)

政策面: 地域経済への貢献、賃上げ計画(※基本要件化済み)、環境配慮

補助事業の実施体制と遂行能力

審査配点比重

技術面

30%
  • 取組内容の革新性
  • 課題・ニーズの明確性
  • 課題解決方法の妥当性
  • 技術的能力

事業化面

30%
  • 市場ニーズの裏付け
  • 競合優位性
  • 事業化体制
  • 収益計画の妥当性

政策面

20%
  • 地域経済への貢献
  • 賃上げ計画との整合性
  • 環境・DX配慮

実施体制

20%
  • 遂行能力
  • スケジュールの妥当性
  • 資金計画

加点項目

  • ※賃上げ計画(年平均成長率3.5%以上)は第23次以降「基本要件」に変更。未達の場合は申請不可
  • 経営革新計画の承認取得
  • 事業継続力強化計画の認定取得
  • デジタル技術の活用(DX関連の取組は加点対象)
  • パートナーシップ構築宣言への登録
  • くるみん・えるぼし認定取得
  • 被用者保険の適用拡大の取組

よくある不採択理由

革新性の説明不足 — 既存技術との差分が不明確、「新しい」と書くだけで根拠なし
費用対効果の根拠が薄い — 売上増加見込みの算出根拠がない
事業化の見通しが不明確 — 市場ニーズの裏付けデータがない
実施体制が不十分 — 誰が何を担当するか具体的でない
補助事業と通常事業の区別が不明確 — 通常の設備更新と区別できない
賃上げ計画との整合性がない — 事業の成果が賃上げにどう繋がるか説明がない

対象経費区分

機械装置・システム構築費技術導入費専門家経費運搬費クラウドサービス利用費原材料費外注費知的財産権等関連経費

必要書類

事業計画書(A4で10ページ以内)
補助経費に関する誓約書
賃金引上げ計画の誓約書
決算書(直近2期分)
従業員数の確認書類
見積書(原則2社以上の相見積もり)
労働者名簿

採択されやすい書き方のポイント

  1. 1「革新性」は自社にとっての新規性ではなく、業界・地域における新規性を示す
  2. 2定量的な目標を明記(売上○%増、生産性○%向上、コスト○%削減)
  3. 3市場ニーズは公的統計データや業界レポートの数値を引用する
  4. 4補助事業終了後5年間の収益計画を付加価値額で示す
  5. 5「付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費」の定義を意識して記載
  6. 6審査員が専門外でも理解できる平易な記述を心がける

口頭審査(プレゼン審査)

審査時間

約15分(質疑応答中心)

形式

オンライン(Zoom等)

出席者

代表者本人(必須)+補助事業担当者1名(任意)

よく聞かれる質問

  • - この取組の「革新性」は具体的にどこにあるか、既存の方法と何が違うか
  • - 想定するターゲット顧客は誰か、なぜその市場にニーズがあると考えるか
  • - 売上計画の数値根拠は何か、どのように算出したか
  • - 補助事業終了後の事業継続性をどう確保するか
  • - 賃上げ3.5%の原資はどこから生まれるか、補助事業との関連は
  • - 競合他社と比較した自社の優位性は何か

もう少し詳しく

公募要領・公式情報に基づく補足です。申請前は必ず最新の公募要領でご確認ください。

申請の基本(詳細)

申請スケジュール

公募開始〜締切〜採択発表〜交付決定までの流れと、各回の目安時期を解説。

申請スケジュールの全体像

ものづくり補助金は年複数回の公募が行われ、各回ごとに締切日・採択発表日が異なります。最新の日程は必ず公式サイトで確認してください。

典型的なスケジュール(1回の公募)

時期 内容
公募開始 公募要領の公開、申請受付の開始
申請締切 電子申請の締切(通常17:00等、要確認)
書面審査 申請書の審査(採択・不採択の判定)
採択発表 採択者への通知、事業計画の追加提出
交付決定 交付決定通知書の交付、契約手続き
事業実施 補助事業の実施、中間・完了報告

第22次公募の目安(参考)

  • 公募開始:2025年10月24日
  • 申請締切:2026年1月30日 17:00
  • 採択発表:2026年4月下旬予定

※上記は参考値です。公募回ごとに変更されるため、ものづくり補助金公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。

申請準備の目安期間

  • 初めての申請:2〜3ヶ月以上
  • 加点項目の取得(BCP等):1〜2ヶ月前から
  • 経営革新計画:2〜3ヶ月前から

GビズIDプライム(申請必須)

電子申請にGビズIDプライムが必須。マイナンバーカードで即日取得可能。

GビズIDプライムとは

ものづくり補助金の申請はすべてオンライン上の電子申請となり、電子申請システムを利用するにはGビズIDプライムアカウントの取得が必須です。

なぜ必要か

補助金の電子申請は、jGrants等の政府統一の電子申請システムを経由します。本人確認・法人確認が厳格に行われるため、GビズIDプライム(公的個人認証に基づく法人代表者確認済みアカウント)が必要となります。

即日取得が可能に(マイナンバーカード)

マイナンバーカードをお持ちの場合、即日登録が可能になりました。従来の「書類郵送→1〜2週間待ち」から大きく改善されています。

即日登録に必要なもの:

  • 法人番号(法人の場合)
  • メールアドレス
  • マイナンバーカード
  • NFC対応スマートフォン または ICカードリーダー
  • 署名用電子証明書の暗証番号(6〜16桁)

マイナンバーカードがない場合

郵送方式となり、1〜2週間程度かかります。公募締切に間に合うよう、余裕をもって取得を開始してください。

取得後も活用可能

GビズIDプライムは、ものづくり補助金以外の補助金(IT導入、持続化、省力化等)や、その他行政サービスにも活用できます。

16ヶ月ルール・採択回数制限

前回採択から16ヶ月以内、または過去3年で2回採択の場合は申請不可。不採択は制限なし。

16ヶ月ルールとは

ものづくり補助金では、申請締切日を起点として過去16ヶ月以内に、当補助金(または事業再構築補助金、新事業進出補助金)で採択された場合、その公募には新規申請ができません。

対象となる採択

  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
  • 中小企業事業再構築補助金(旧制度)
  • 中小企業新事業進出補助金

上記のいずれかで採択された場合、16ヶ月ルールの対象になります。

採択回数制限(過去3年で2回)

過去3年間に2回採択されている場合は、その期間中は新たに申請することができません。「採択回数」がカウントされ、不採択は制限に含まれません。

不採択の場合

不採択となった場合、申請回数の上限はなく、何度でも再申請可能です。16ヶ月ルールも採択回数制限も不採択には適用されません。ただし、同じ内容のまま再提出しても採択は難しくなるため、審査で弱かった項目を改善してから再申請することを推奨します。

対象者・適格性(中小企業の定義)

中小企業基本法に基づく業種別の従業員数・資本金の要件。個人事業主も対象。

対象者の概要

ものづくり補助金の対象は、中小企業者等です。中小企業基本法に基づく業種別の従業員数・資本金の要件を満たす必要があります。

業種別の中小企業の定義

業種 従業員数 資本金
製造業・建設業・運輸業等 300人以下 3億円以下
卸売業 100人以下 1億円以下
小売業・飲食業 50人以下 5,000万円以下
サービス業 100人以下 5,000万円以下
宿泊業・娯楽業 200人以下 5,000万円以下

※上記は中小企業基本法の一般的な定義です。公募要領で最新の要件を必ず確認してください。

小規模事業者(補助率2/3)

製造業・建設業等では従業員20人以下、卸売・小売・飲食・サービスでは5人以下が小規模事業者に該当し、補助率2/3の適用を受ける場合があります。

個人事業主

個人事業主も中小企業者等に含まれ、対象となります。法人格の有無は要件ではありません。

みなし大企業にご注意

連結決算で親会社が大企業に該当する場合、子会社であっても「みなし大企業」として対象外となることがあります。グループ企業の方は公募要領の該当箇所を必ず確認してください。

業種制限

風俗営業、パチンコ店等、公募要領で定める業種は対象外となる場合があります。

審査の観点(詳細)

技術面: 取組内容の革新性、課題解決の妥当性、技術的能力

取組の革新性と既存技術との差別化、課題解決方法の妥当性、実施体制の技術力を評価します。

技術面の評価ポイント総論

ものづくり補助金における「技術面」は、審査配点の約30%を占める最重要評価項目の一つです。公募要領では、取組内容の革新性・課題解決の妥当性・技術的能力の3軸で採点されます。本項では、各観点の詳細な評価基準、業種別の記載例、採択事例から読み解く高評価の秘訣、そして不採択を避けるためのチェックリストまで、実務に即した形で解説します。


1. 取組内容の革新性 — 詳細解説

審査員が重視する3つの水準

審査員が求める「革新性」は、以下の3レベルで整理すると対策が立てやすくなります。

レベル 定義 ものづくり補助金での評価
レベル1 自社にとって初めての取り組み 最低限の評価。多くの場合で不十分
レベル2 業界・地域において新しい取り組み 標準的な採択水準。多くの採択事例がこのレベル
レベル3 先行事例がない、または既存技術を大幅に上回る 高評価。採択率・交付額の優遇につながる場合あり

重要: 「自社初」のみでは不採択になるケースが多発しています。業界内での位置づけ(他社・他地域との比較)を必ず明示してください。

革新性を証明する4つの根拠類型

  1. 特許・意匠・著作権

    • 特許出願済み:出願番号を明記。審査中・登録済みのいずれも有効
    • 出願予定:計画として「○月に出願予定」と記載しても革新性の裏付けになる
    • 国際特許(PCT)出願:グローバル枠申請時に特に有効
  2. 共同研究・外部評価

    • 大学・公設試験場との共同研究契約
    • 国・自治体の実証事業採択実績
    • 業界団体・第三者機関による技術評価・認証
  3. 先行技術との比較データ

    • 既存製品・既存工程との性能比較表(品質・コスト・納期・省エネ等)
    • 業界標準との差分を数値で示した表
    • 試作品・プロトタイプの試験結果データ
  4. 顧客・市場からの評価

    • 大手企業・自治体からの技術審査通過実績
    • 展示会・コンテストでの受賞
    • 顧客の技術担当者による評価・推薦

業種別:革新性の書き方実例

製造業の例: 「現行の手作業による検査工程(1個あたり5分、不良品の見逃し率2%)に対し、AI画像検査装置を導入。検査時間を1分に短縮し、見逃し率0.1%以下を実現。既存の市販検査装置は照明・アングル固定型で多品種対応に弱いが、当社開発のAIは製品形状の学習により多品種切り替えを30分で完了。特許出願済み(特許番号○○○○)。」

サービス業の例: 「業界標準の予約管理(電話・メール対応、当日の空席把握困難)に対して、リアルタイム在庫連携型の予約プラットフォームを構築。顧客の取消・変更に即応し、稼働率を従来比15%向上。同様の仕組みは大手企業向けには存在するが、中小事業者向けに月額○万円以下で提供するのは国内初(矢野経済「○○市場報告書」2025年版において記載なし)。」

小売・商業の例: 「既存の在庫管理(棚卸し月1回、誤差±5%)に対し、IoT重量センサーとAI需要予測を組み合わせたリアルタイム在庫最適化システムを導入。棚卸し頻度を週1回に削減し、誤差を±1%以内に抑制。食品ロスを30%削減。同種システムは製造業向けに普及しているが、小規模小売店向けの低コスト版は本システムが初(経済産業省「商業動態統計」の小規模店舗調査において類似事例なし)。」

避けるべき記載パターン(不採択の典型)

  • 「革新的な」「画期的な」「従来にない」と形容するだけで、何がどう違うか不明
  • 「業界初」「国内初」と断じるが、先行事例調査の記録・根拠がない
  • 自社の技術説明に終始し、業界標準との比較が一切ない
  • 特許「検討中」のみで、出願計画・スケジュールがない

2. 課題解決の妥当性 — 詳細解説

課題の定量化が必須

解決しようとする課題は、数値で示すことが鉄則です。

課題の種類 悪い例 良い例
生産性 効率が悪い 1人あたり付加価値額が業界平均比70%(中小製造業白書)
品質 不良が多い 不良率3%、年間ロス○○万円
人手不足 人が足りない 離職率年15%、採用リードタイム6ヶ月
コスト 原価が高い 原材料費率45%(業界平均42%)、差額の要因は○

因果の鎖を書く

「課題→解決策→効果」の論理的なつながりを、1文で要約できる状態にします。

テンプレート: 「【課題】○○(数値)→【解決策】△△を導入→【効果】□□が○○→□□に改善(根拠:〇〇)」

具体例: 「【課題】熟練工の高齢化により技能継承が困難(技能保有者5名中3名が60歳以上)→【解決策】デジタルツイン技術による作業手順の可視化・シミュレーション環境を構築→【効果】新人の習熟期間を従来の6ヶ月から2ヶ月に短縮(社内で10名規模のパイロット実証済み)」

客観的根拠の優先順位

  1. 社内データ:自社の実績値(不良率、工数、稼働率等)
  2. 顧客・取引先データ:ヒアリング結果、発注履歴、クレーム件数
  3. 業界統計:工業統計、商業統計、業界団体の調査
  4. 第三者評価:大学・公設試験場の試験結果、認証機関の評価

3. 技術的能力 — 詳細解説

プロジェクト体制の記載フォーマット

役割 記載すべき項目
プロジェクトリーダー 氏名・役職・関連業務経験年数・過去の類似案件
技術担当 保有資格・特許・論文・開発実績
外部連携 機関名・契約形態・担当者・連携内容

小規模事業者の体制補強

従業員が少ない場合は、以下の外部リソースを明示することで体制面の不安を補います。

  • 認定経営革新等支援機関:計画策定・実行支援
  • 商工会議所・商工会:経営相談・情報提供
  • 大学・公設試験場:技術指導・共同研究
  • 設備メーカー・SIer:導入支援・保守体制

スケジュール・工程表のポイント

  • ガントチャート形式で月単位のマイルストーンを記載
  • 発注リードタイム(見積〜納品)を反映した現実的な日程
  • 中間検査・完成検査のタイミングを明記
  • 遅延時のリカバリプラン(代替調達先等)

提出前チェックリスト(技術面)

  • 革新性について、業界標準との比較表がある
  • 特許・共同研究・第三者評価のいずれかの根拠がある
  • 課題が数値で定量化されている
  • 課題→解決策→効果の因果が1文で説明できる
  • プロジェクト体制(氏名・役割・経験)が具体的
  • スケジュールがガントチャート形式で示されている
  • 「革新的な」等の抽象語のみの記載がない

よくある質問(技術面)

Q: 特許がまだ出願していない場合はどう書けばよいですか? A: 「○年○月に出願予定。先行技術調査を実施し、新規性・進歩性を確認済み」と計画と根拠を記載してください。出願予定でも革新性の裏付けとして有効です。

Q: 大学との共同研究がまだ契約段階です。記載してよいですか? A: 覚書(MOU)締結済みであれば、「○大学と共同研究契約を締結予定(覚書締結済み)。○月から実験開始」のように、具体的なスケジュールとともに記載できます。

Q: 業界初と言い切るための調査はどこまで必要ですか? A: 特許公報での検索、業界団体への照会、競合他社のWebサイト・製品カタログの確認、市場調査レポートの精査など、合理的な範囲で先行事例調査を実施し、その結果を「調査の結果、類似事例は確認されなかった」と記載してください。調査方法・範囲も簡潔に示すと説得力が増します。

Q: 技術担当が社長1人だけの小規模事業者です。体制面で不利になりませんか? A: 外部連携(認定支援機関、商工会議所、設備メーカーの導入支援、大学・公設試験場の技術指導)を明確に記載することで補えます。特に認定経営革新等支援機関との連携体制を示すと、体制面の信頼性が高まります。


ステップバイステップ:技術面の記述を1週間で強化する手順

Day 1-2:革新性の棚卸し 自社の取組について、特許・共同研究・先行技術調査の有無を確認。どれもない場合は、業界標準との比較表を作成し、数値で差分を可視化。大学・公設試験場への相談もこの段階で開始。

Day 3-4:課題の定量化 現状の不良率・工数・稼働率・コスト等を数値で把握。業界平均や過去実績との比較で「課題」を明確化。解決策(設備・システム)がその課題に直結する因果を1文でまとめる。

Day 5-6:体制表・スケジュールの作成 プロジェクト体制表(役割・氏名・経験)を作成。外部連携がある場合は契約・覚書の有無を確認。ガントチャートで月単位の工程を整理し、リードタイムを反映。

Day 7:チェックリストで最終確認 本項の提出前チェックリストを全項目クリア。第三者(同業者・認定支援機関)に読んでもらい、技術面の記述が「業界外の審査員にも伝わるか」を確認。


審査員目線:技術面で高得点の申請書の特徴

採択される申請書に共通するのは、(1)革新性が比較表と根拠で証明されている、(2)課題が数値化され因果が明確、(3)体制・スケジュールが具体的、の3点です。抽象的な形容詞を並べるだけでなく、「何が」「どう」「他と比べてどう違うか」を論理的に示すことが重要です。審査員は1件あたり限られた時間で採点するため、構成が明確で根拠がすぐに理解できる申請書が評価されやすくなります。

※本コンテンツの情報は公募要領に基づく解説です。申請の際は必ず最新の公募要領をご確認ください。

事業化面: 事業化見通し(市場ニーズ、競合優位性、収益計画の妥当性)

市場ニーズの裏付け、競合との差別化、収益計画の積み上げ根拠を評価します。

事業化面の評価ポイント総論

事業化面は審査配点の約30%を占め、技術面と並ぶ最重要項目です。市場ニーズの裏付け収益計画の妥当性が特に重視され、審査員は「本当に売れるのか」「数値の根拠はあるか」を厳しく問います。本項では、マクロ→ミクロの二層構造、積み上げ式売上計画の作成手順、競合分析の書き方、付加価値額の正しい算出まで、採択を勝ち取るための実務知識を解説します。


1. 市場ニーズの裏付け — 詳細解説

マクロ→ミクロの二層構造

理想的な記述は、**マクロデータ(市場全体)→ ミクロデータ(具体的顧客)**の二層で構成します。

第1層(マクロ):

  • 対象市場の規模(TAM:Total Addressable Market)
  • 成長率・トレンド(過去実績と将来予測)
  • 公的統計・業界レポートによる裏付け

第2層(ミクロ):

  • 当社が狙うセグメント(SAM:Serviceable Addressable Market)
  • 具体的な顧客名・商談状況・LOI(取引意向書)
  • 既存顧客からの追加受注、展示会での引き合い実績

記載例(製造業): 「国内製造業のDX市場は2025年に2兆円規模(経済産業省「デジタルグリーン開拓支援事業」報告書)。そのうち中小製造業向けの生産管理・品質管理ソリューションは約3,000億円(矢野経済研究所「製造業DX市場」2025年版)。当社は精密加工向けIoTソリューションに特化し、この市場のうち地元関東の金属加工業者約2,000社をターゲットとする(市場規模約60億円)。既存顧客A社(年商5億円)から増産に伴う本格導入の意向を取得済み(LOI締結)。B社・C社との商談も進行中(見積提出済み各1件)。」

使える公的データソース一覧

データソース 用途 アクセス方法
経済産業省「工業統計調査」 業界の生産額・従業員数・推移 e-Stat、経産省HP
経済産業省「商業動態統計」 小売・卸売の売上推移 e-Stat
総務省「経済センサス」 事業所数・従業員数の業種別データ e-Stat
中小企業庁「中小企業白書」 業界課題・トレンド分析 中小企業庁HP
各業界団体の年次レポート 業界固有の市場動向 業界団体HP
矢野経済研究所・富士経済 特定市場の定量データ・成長率 有料レポート・要約版

エビデンスの強さランキング

順位 エビデンス 説得力 備考
1 LOI(取引意向書) 最高 具体的な数量・金額・時期が記載されていると理想的
2 発注内示・見積依頼 既存顧客からの増産要請等
3 顧客ヒアリング結果 「A社購買部長に確認、年間○○個の発注意向」と実名記載
4 MOU・共同開発契約 開発パートナーとの覚書
5 展示会・商談会の実績 「前回出展時に○件の引き合い、うち○件が商談化」
6 市場調査データのみ マクロは充足するが、ミクロの具体性が不足

2. 競合優位性 — 詳細解説

競合比較表のテンプレート

比較軸 競合A 競合B 当社 差別化ポイント
価格 ○○円 ○○円 ○○円 小規模向け低価格
品質・精度 ○○ ○○ ○○ 不良率○%以下を実現
納期 ○週間 ○週間 ○週間 標準品は半減
カスタマイズ 困難 対応可 容易 多品種少量向け最適化

競合の具体的な製品名・サービス名を挙げ、当社との差分を数値で示すことが重要です。「他社より優れている」ではなく「他社の○は△であるのに対し、当社は□である」と明確に書きます。


3. 収益計画の妥当性 — 詳細解説

積み上げ式売上計画の作り方

基本式: 売上=顧客数×客単価×リピート率(または受注件数×単価×回転数)

悪い例: 「新製品の販売で年間売上3,000万円を見込む」

良い例: 「既存顧客A社への提案(見積済み: 年1,200万円)+B社との共同開発契約(MOU締結済み: 年800万円)+展示会経由の新規開拓(過去実績: 出展1回あたり3件成約×単価200万円=600万円/年)+Web問合せ経由の新規(過去3年平均: 月2件×成約率25%×単価80万円=480万円/年)=合計3,080万円」

各要素に根拠(見積・MOU・過去実績)を添えることで、審査員に「絵に描いた餅ではない」と伝えられます。

付加価値額の正しい理解

付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費

公募要領に明記された定義です。売上高ではありません。事業計画期間(3〜5年)で付加価値額を年率平均3.5%以上向上させる計画が求められます。収益計画のセクションでは、売上・利益だけでなく、この付加価値額の5年推移を表で示し、各年度の根拠(売上増・原価改善・人件費増等)を記載してください。


提出前チェックリスト(事業化面)

  • マクロデータ(市場規模・成長率)を公的ソースで裏付けている
  • ミクロデータ(具体的顧客名・LOI・商談状況)がある
  • 売上目標が積み上げ式で示されている
  • 競合との比較表がある
  • 付加価値額の5年計画が示されている

ステップバイステップ:事業化面の記述を強化する手順

Step 1:マクロデータの収集(1〜2日) 経済産業省e-Stat、業界団体HP、矢野経済等の要約版から、対象市場の規模・成長率を取得。出典をメモし、申請書に「(○○省「○○調査」)」と記載できる形に整理。

Step 2:ターゲットセグメントの特定(1日) 全体市場のうち、当社が狙うセグメント(業種・地域・規模・ニーズ)を明確化。SAMの規模を算出し、マクロとの関係(例:TAM2兆円のうちSAM300億円)を記載。

Step 3:顧客・商談のリストアップ(2〜3日) 既存顧客の追加受注見込み、商談中の案件、LOI取得済みの取引先、展示会での引き合いを一覧化。各項目に「見積額」「成約予測」「エビデンスの有無」を付記。

Step 4:積み上げ式売上計画の作成(1〜2日) Step 3のリストから、顧客数×単価×回転(または類似の式)で売上を積み上げ。各要素に根拠(見積・LOI・過去実績)を紐付け。合計が目標売上と整合するか確認。

Step 5:競合比較表の作成(1日) 主な競合2〜3社の製品・サービスを調査。価格・品質・納期・カスタマイズ性等で比較表を作成。当社の差別化ポイントを数値で示す。


業種別:事業化面の記載のコツ

製造業: 既存顧客からの増産要請(見積・発注内示)が最強のエビデンス。新規開拓は展示会実績・商談会での反応を具体的に。付加価値額は「営業利益+人件費+減価償却」で各年度を計算。

サービス業: 顧客数の積み上げ(既存顧客維持率+新規顧客獲得見込み)と、客単価・リピート率の根拠が重要。業界の月額単価相場や、自社の過去実績を引用。

小売・商業: 売場面積・来店客数・客単価のいずれかの増加見込みを、具体的な施策(新規出店・EC拡充・リピート率向上策)とセットで記載。地域の人口動態・商業統計で裏付け。


審査員目線:事業化面で「信用される」申請書

審査員が最も疑うのは「本当に売れるのか」です。マクロデータだけでは「市場はあるが、当社が獲れる根拠がない」と判断されます。LOI・見積・顧客名・商談状況のいずれかで「実際に売れる見込みがある」ことを示すことが決め手です。積み上げ式の売上計画は、各要素の根拠が添えられていれば、計画の信頼性が大きく向上します。

※申請の際は最新の公募要領をご確認ください。

政策面: 地域経済への貢献、賃上げ計画、環境配慮

地域雇用・サプライチェーンへの波及、賃上げ率3.5%以上の計画、環境・DX配慮を評価。

政策面の評価ポイント総論

政策面は審査配点の約20%を占め、賃上げ計画との整合性が公募要領で最も強調される項目です。ものづくり補助金は「生産性向上と持続的な賃上げ」を政策目的としており、補助事業の成果が賃上げにどう結びつくかを具体的に示すことが採択の鍵となります。本項では、付加価値額・賃上げの数値要件、地域経済貢献の書き方、環境・DX配慮のポイントを解説します。


1. 地域経済への貢献

補助事業が地域雇用・地元企業・サプライチェーンにどう波及するかを定量的に記載します。抽象的な「地域貢献」ではなく、雇用数・取引額・技術移転先数などの数値で示してください。

記載の切り口:

  • 新規採用計画(人数・時期・想定年収)
  • 地元企業との取引拡大(金額・企業数)
  • 下請け・協力会社への技術移転・発注増
  • 地域の雇用維持・賃金水準への寄与

悪い例: 「地域経済に貢献する」 良い例: 「新規採用5名(初年度2名、2年目3名)。設備導入に伴い地元設備商・建設会社へ発注総額○○万円。協力会社3社への技術指導により、地域全体の加工精度向上に寄与。」


2. 賃上げ計画との整合性(最重要)

公募要領の数値要件

指標 要件
付加価値額 事業計画期間で年率平均3.5%以上の向上
給与支給総額(1人あたり) 年率平均1.5%以上の増加

付加価値額の定義: 付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費

補助事業→賃上げの因果ストーリー

「生産性向上→付加価値増→賃金に還元」の流れを数値で示します。

記載例: 「本事業による新設備導入で、1人あたり付加価値額を現行350万円/年から5年後に420万円/年(年率3.7%)に引き上げる。内訳:売上増により営業利益を年率5%増、生産性向上により人件費単価を据え置きで生産量増を実現。付加価値額の増加分の△△%を賃金に還元する計画(給与支給総額を年率2%増)。」

誓約と返還リスク

申請時に「賃金引上げ計画の誓約書」の提出が必須です。計画期間終了時に未達成の場合、補助金の一部または全部の返還を求められる可能性があります。交付規程・交付要綱を必ず確認し、達成可能性の高い計画を立ててください。

大幅賃上げ特例

大幅な賃上げを行う場合は、上乗せの補助枠(最大1,000万円)を申請できる場合があります。該当する場合は「大幅賃上げ特例用の賃上げ計画書」の提出が必要です。


3. 環境・DX配慮

省エネ・脱炭素への取組、デジタル技術の活用は、政策面の評価対象となる場合があります。DX関連の取組は加点項目にもなることがあるため、該当する取組がある場合は具体的に記載してください。

※本コンテンツは公募要領に基づく解説です。最新の公募要領をご確認ください。

補助事業の実施体制と遂行能力

誰が何を担当するか、スケジュール、資金計画の具体性を評価します。

実施体制・遂行能力の評価ポイント総論

実施体制は審査配点の約20%を占め、「この会社にこの事業を遂行できる能力があるか」が問われます。審査員は、プロジェクトの実現可能性を判断するために、誰が何を担当するか、スケジュールは現実的か、資金は確保できるか、を総合的に評価します。本項では、体制表の作成要領、ガントチャートの書き方、資金計画の記載ポイントを解説します。


1. 遂行能力 — 詳細解説

プロジェクト体制の記載フォーマット

役割 記載すべき項目
プロジェクトリーダー 氏名・役職・関連業務経験年数・過去の類似案件
技術担当 保有資格(技能検定等)・特許・論文・開発実績
製造・導入担当 設備導入経験・関連資格
外部連携 機関名・契約形態(共同研究等)・担当者・連携内容

重要: 氏名はイニシャルでも可とする公募もありますが、役職・経験年数は具体的に。曖昧な記載は「体制が不明確」と減点されます。

小規模事業者の体制補強

従業員が少ない場合は、以下の外部リソースを明示することで体制面の不安を補います。

  • 認定経営革新等支援機関:計画策定支援、実行アドバイス
  • 商工会議所・商工会:経営相談、情報提供、ネットワーク
  • 大学・公設試験場:技術指導、共同研究、試験委託
  • 設備メーカー・SIer:導入支援、保守体制、トレーニング

「○社(設備メーカー)と導入支援契約を締結予定。施工・試運転・操作訓練を一括サポート」「△大学との共同研究契約により、技術的な裏付けを確保」のように、具体的な契約内容・スケジュールを示してください。


2. スケジュールの妥当性 — 詳細解説

ガントチャートの必須要素

  • 月単位(または四半期単位)のマイルストーン
  • 発注リードタイム(見積取得〜納品)を反映した現実的な日程
  • 中間検査・完成検査のタイミング
  • 補助金の交付スケジュール(概算払い・実績払い)との整合

リードタイムの目安

調達品目 一般的なリードタイム
汎用機械・設備 2〜6ヶ月
特注・カスタム設備 6〜12ヶ月
システム構築・ソフトウェア 3〜9ヶ月
建屋・内装工事 3〜6ヶ月

複数品目を同時進行する場合、最もリードタイムの長い品目をクリティカルパスとして明示し、全体スケジュールとの整合を図ってください。

遅延時のリカバリプラン

「主要設備Aの納品が○ヶ月遅延した場合、予備サプライヤーB社への発注に切り替え(見積取得済み)」のように、リスクと対策を簡潔に記載すると、計画の堅牢性が伝わります。


3. 資金計画 — 詳細解説

記載すべき項目

  • 自己負担分の総額:補助対象経費の自己負担分(1/2または1/3)
  • 資金調達手段:銀行融資(内示有無)、自己資金、その他
  • 前払い・概算払いのタイミング:補助金交付前に必要な支払いと、その調達方法
  • 運転資金:試運転期間の原料費・人件費等の確保見込み

融資内示の記載例

「○銀行より設備資金として△△万円の融資内示を取得済み(○年○月まで有効)。補助金の概算払いを充当し、実績払い分は自己資金で一時立て替え。」

※申請の際は最新の公募要領をご確認ください。

加点項目(詳細)

賃上げ計画(1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上)

公募要領で明記された賃上げ要件。採択後の計画履行も求められます。

賃上げ計画の基本要件 完全ガイド

ものづくり補助金では、第23次公募以降賃上げ計画(年平均成長率3.5%以上)基本要件(未達の場合は申請不可)に変更されました。かつ計画履行の誓約が求められます。本項では、数値目標の正確な理解、申請書への記載方法、誓約書の提出要件、大幅賃上げ特例まで、実務に即して詳解します。


1. 数値目標の正確な理解

公募要領で求められる2つの指標

指標 要件 算出方法
付加価値額 事業計画期間で年率平均3.5%以上の向上 付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費
給与支給総額(1人あたり) 年率平均1.5%以上の増加 給与支給総額÷従業員数

付加価値額は「売上高」ではありません。営業利益・人件費・減価償却費の合計です。事業計画書の収益計画・付加価値額計画のセクションで、基準年度から計画終了年度まで各年度の数値を表で示し、年率が3.5%以上になることを明示してください。

計画期間の考え方

事業計画期間は通常3〜5年です。計画終了年度の付加価値額を基準年度と比較し、複利ベースで年率3.5%以上となっているかを確認します。例:基準年度350万円/人→5年後420万円/人であれば、年率約3.7%で要件を満たします。


2. 申請時の記載ポイント

因果ストーリーの構築

「補助事業(設備導入等)→生産性向上→付加価値増→賃金に還元」の流れを、数値と根拠付きで記載します。

記載例: 「本事業により新製を開発・販売し、既存顧客からの増産受注(LOI済み)と新規開拓により売上を年率○%増。同時に、新設備導入による生産性向上で原単位を○%改善。付加価値額は年率3.8%増を見込み、その△△%を賃金に還元。給与支給総額は年率2%増の計画。」

給与テーブルでの具体化

可能であれば、計画期間の各年度における想定給与支給総額・従業員数・1人あたり金額を表で示すと、審査員に「本気度」が伝わります。単なる「賃上げする」ではなく、「○年目に○名採用、平均年収○万円」「既存社員の賃金は年率○%増」と具体化してください。


3. 誓約と履行・返還リスク

申請時に「賃金引上げ計画の誓約書」の提出が必須です。計画期間終了時に未達成の場合、補助金の一部または全部の返還を求められる可能性があります。交付規程・交付要綱を必ず確認し、達成可能性の高い計画を立ててください。楽観的な計画は、後からの返還リスクを招きます。


4. 大幅賃上げ特例

大幅な賃上げを行う場合は、上乗せの補助枠(最大1,000万円)を申請できる場合があります。該当する場合は「大幅賃上げ特例用の賃上げ計画書」の提出が必要です。公募要領で対象要件(賃上げ率の目安等)を確認してください。

経営革新計画の承認取得

経営革新計画の承認を取得していると加点対象になります。

経営革新計画の加点 完全ガイド

経営革新計画の承認を取得している事業者は、ものづくり補助金の審査で加点される場合があります。本項では、経営革新計画の制度概要、取得手順、申請スケジュール、補助金申請とのタイミング調整を解説します。


1. 経営革新計画とは

中小企業者が、経営革新支援機関(認定経営革新等支援機関等)の支援を受けて策定する、経営革新のための計画です。中小企業庁の施策として、計画の承認を受けた事業者は、金融機関の融資優遇、経営革新等支援機関による継続的な支援等を受けることができます。

2. 取得までのプロセスと期間

ステップ 目安期間 主な作業
相談・支援機関選定 1〜2週間 商工会議所・認定支援機関に相談
計画策定 4〜8週間 現状分析、目標設定、施策の具体化
支援機関の確認 1〜2週間 計画内容の確認・修正
承認申請 2〜4週間 中小企業庁への申請、承認

合計2〜3ヶ月程度が目安です。補助金申請の2〜3ヶ月前から準備を開始することを推奨します。

3. 取得ルート

  • 認定経営革新等支援機関:計画策定の専門家。最も確実なルート
  • 商工会議所・商工会:無料相談、支援機関の紹介
  • 都道府県の経営支援窓口:地域ごとの制度案内

4. 計画に盛り込む内容

経営革新計画には、経営革新の目標(付加価値額向上、新事業展開等)と、そのための具体施策を記載します。ものづくり補助金で申請する設備導入・新製品開発を、経営革新計画の施策の一部として位置づけることで、補助金との整合性も高まります。

※加点の有無・効果は公募回により変更される場合があります。最新の公募要領をご確認ください。

事業継続力強化計画の認定取得

取得のハードルが低く、加点効果が期待できる代表的な加点項目です。

事業継続力強化計画の加点 完全ガイド

**事業継続力強化計画(BCP)**の認定取得は、取得が比較的容易でありながら加点効果が期待できる代表的な加点項目です。本項では、BCPの制度概要、取得手順、補助金申請とのタイミング、他の加点項目との併用戦略を解説します。


1. 事業継続力強化計画とは

地震・感染症・大規模停電等の災害時に事業を継続するための計画を策定し、中小企業庁の認定を受ける制度です。計画には、想定するリスク、事業継続のための対策、従業員の安全確保、取引先・顧客への連絡方法等を盛り込みます。

2. 取得までのプロセスと期間

ステップ 目安期間 主な作業
テンプレート取得・学習 1週間 中小企業庁HPから様式ダウンロード
計画策定 2〜3週間 自社のリスク分析、対策の記載
認定申請 1〜2週間 オンライン申請、認定

合計約1ヶ月程度。補助金申請の1ヶ月前から準備すれば、次回公募に間に合わせられる可能性が高いです。

3. 取得のメリット

  • 補助金審査での加点:ものづくり補助金、持続化補助金等で加点対象となる場合あり
  • 金融機関の融資優遇:日本政策金融公庫等の優遇金利
  • 取引先からの信頼向上:BCP認定マークの活用

4. パートナーシップ構築宣言との併用

「パートナーシップ構築宣言」への登録も加点対象となる場合があり、登録は即日可能です。BCPと併せて取得することで、加点を重ねられます。登録は経済産業省のWebサイトから行えます。

※公募要領で対象加点項目を必ず確認してください。

デジタル技術の活用(DX関連の取組は加点対象)

DX・デジタル技術の活用は加点。申請書に具体的に記載。

IoT・AI・クラウド・RPA等のデジタル技術を設備・業務に活用する計画は加点対象です。申請書の「取組内容」で、どの技術をどの工程にどう導入するかを具体的に記載してください。

参考・公式情報

パートナーシップ構築宣言への登録

即日登録可能。加点対象。

経済産業省の「パートナーシップ構築宣言」への登録は即日可能で加点対象です。取引先との公正な取引を宣言する制度。Webから登録できます。

くるみん・えるぼし認定取得

子育て・女性活躍に配慮した事業者認定。加点対象。

くるみん認定(子育て支援)・えるぼし認定(女性活躍推進)を取得していると加点対象となる場合があります。取得済みの場合は申請書に明記してください。

参考・公式情報

被用者保険の適用拡大の取組

社会保険適用拡大に取り組むと加点。

短時間労働者への社会保険適用拡大等、被用者保険の適用に取り組んでいる場合は加点対象となる場合があります。実施状況を具体的に記載してください。

参考・公式情報

不採択理由(詳細)

革新性の説明不足 — 既存技術との差分が不明確、「新しい」と書くだけで根拠なし

最も多い不採択理由。既存技術との比較表や特許等の根拠が求められます。

革新性説明不足による不採択の回避策 完全ガイド

革新性の説明不足は、ものづくり補助金で最も多い不採択理由です。本項では、革新性の3レベル、具体的な改善フレームワーク、業種別の記載例、再申請時の修正ポイントまで、実務に即して詳解します。


1. 革新性の3レベル

レベル 内容 ものづくり補助金での評価
レベル1 自社にとって新しい取り組み 最低限。多くの場合で不十分
レベル2 業界・地域において新しい取り組み 標準。多くの採択事例がこのレベル
レベル3 先行事例がない、または先行技術を大幅に上回る 高評価

「自社初」のみでは不採択になるケースが多発しています。業界内での位置づけ(他社・他地域との比較)を必ず明示してください。

2. 対策:比較表と根拠の追加

推奨フレームワーク:

  1. 現状の業界標準技術・手法を説明(A方式が主流)
  2. 自社の新しいアプローチを説明(B方式を採用)
  3. A方式とB方式の比較表(品質・コスト・納期・省エネ等で比較)
  4. B方式が従来実現できなかった技術的背景と、今回それを解決する方法

根拠として有効なもの:

  • 特許出願済み・出願予定(番号・出願予定時期を明記)
  • 大学・公設試験場との共同研究(契約・覚書の有無)
  • 業界団体・第三者機関による評価・認証
  • 先行技術調査の結果(特許検索、競合製品調査の記録)

3. 業種別の改善例

製造業: 既存の加工方法(切削・プレス等)と新方式( additive manufacturing、複合加工等)の比較表。加工精度・工期・コストの数値比較。特許・共同研究の有無。

サービス業: 業界標準の提供方法(対面・電話対応等)と新方式(プラットフォーム型・AI活用等)の比較。顧客利便性・コスト・スケーラビリティの差分。

小売・商業: 既存の在庫管理・販売チャネルと、IoT・AIを活用した新方式の比較。棚卸し効率・ロス率・顧客満足度の数値。

4. 避けるべき記載

  • 「革新的な」「画期的な」と形容するだけで、何がどう違うか不明
  • 「業界初」と断じるが、先行事例調査の記録・根拠がない
  • 自社の技術説明に終始し、業界標準との比較が一切ない

※最新の公募要領と採択事例を参照の上、申請内容をご確認ください。

費用対効果の根拠が薄い — 売上増加見込みの算出根拠がない

売上目標は積み上げ式の計算で示す。LOI・見積・顧客名の記載が有効。

費用対効果・売上根拠の強化 完全ガイド

「売上を3年で2倍にする」と書いても、算出根拠がなければ審査員に「絵に描いた餅」と判断されます。本項では、積み上げ式売上計画の作り方、エビデンスの強さ、業種別の記載例、再申請時の修正ポイントを解説します。


1. 良い例と悪い例

悪い例: 「新製品の販売で年間売上3,000万円を見込む」

良い例: 「既存顧客A社への提案(見積済み: 年1,200万円)+B社との共同開発契約(MOU締結済み: 年800万円)+展示会経由の新規開拓(過去実績: 出展1回あたり3件成約×単価200万円=600万円/年)+Web問合せ経由の新規(過去3年平均: 月2件×成約率25%×単価80万円=480万円/年)=合計3,080万円」

各要素に根拠(見積・MOU・過去実績)を添えることで、審査員に「実行可能な計画」と伝わります。

2. 根拠強化に使えるエビデンス

種類 説得力 備考
LOI(取引意向書) 最高 具体的な数量・金額・時期が記載されていると理想的
顧客ヒアリング結果 「A社購買部長に確認、年間○○個の発注意向」と実名記載
見積書・発注内示 既存顧客からの増産要請等
市場調査データ 業界統計・レポートの引用。マクロの裏付け
展示会での反応 「前回出展時に○件の引き合い、うち○件が商談化」

3. 積み上げ式のフォーマット

基本式: 売上=顧客数×客単価×リピート率(または 受注件数×単価×回転数)

各要素に根拠を添えます。顧客数は「既存○社+新規○社(展示会実績ベース)」、単価は「見積済み○円」「前回実績○円」、リピート率は「過去実績○%」のように、数値の出所を明示してください。

4. 再申請時の修正ポイント

不採択理由が「費用対効果の根拠が薄い」であった場合、売上計画のセクションに積み上げ式の計算を追加し、各要素にLOI・見積・顧客名・過去実績のいずれかを紐付けてください。根拠のない成長率は致命傷です。

参考・公式情報

事業化の見通しが不明確 — 市場ニーズの裏付けデータがない

公的統計・業界データで市場を裏付け、具体的な顧客・販路を記載。

市場ニーズ・事業化見通しの明確化 完全ガイド

「需要がある」だけでは不十分です。審査員は「本当にお客様がいるのか?」を最も厳しく見ます。本項では、マクロ→ミクロの二層構造、使える公的データ一覧、顧客レベルの具体化方法、業種別の記載例を解説します。


1. マクロ→ミクロの二層構造

理想的な記述は、**マクロデータ(市場全体)→ ミクロデータ(具体的顧客)**の二層で構成します。

第1層(マクロ):

  • 対象市場の規模(TAM)
  • 成長率・トレンド(過去実績と将来予測)
  • 公的統計・業界レポートによる裏付け

第2層(ミクロ):

  • 当社が狙うセグメント(SAM)の規模
  • 具体的な顧客名・商談状況・LOI
  • 既存顧客からの追加受注、展示会での引き合い実績

「マクロもあるし、ミクロもある」という二重の裏付けが、説得力を生みます。

2. 使える公的データ一覧

データソース 用途
経済産業省「工業統計調査」 業界の生産額・従業員数・推移
経済産業省「商業動態統計」 小売・卸売の売上推移
総務省「経済センサス」 事業所数・従業員数の業種別データ
中小企業庁「中小企業白書」 業界課題・トレンド分析
矢野経済研究所・富士経済 特定市場の定量データ・成長率

3. 顧客レベルの具体化

エビデンス 記載例
LOI 「A社(年商○億円)と取引意向書を締結。年間○○個の発注を予定」
顧客ヒアリング 「B社購買部長にヒアリング。年間○○万円の発注意向を確認」
展示会実績 「前回出展時に○件の引き合い、うち○件が商談化。成約○件」
既存顧客増産 「C社(既存取引先)から増産に伴う追加発注の内示(見積済み○万円)」

4. 記載の悪い例と良い例

悪い例: 「市場ニーズは高い。当社の製品は需要がある。」 良い例: 「国内○○市場は2025年に○兆円規模(矢野経済)。当社ターゲットの中小向けセグメントは○○億円。既存顧客A社からLOI取得済み(年○百万円)。B社・C社と商談中。」

※最新の公募要領をご確認ください。

実施体制が不十分 — 誰が何を担当するか具体的でない

担当者名・役割・経験を組織図で明示。

実施体制では、誰が何を担当するかを組織図で明示します。代表者・技術担当・外部パートナー(大学・公設試等)の役割分担と、それぞれの経験・実績を具体的に記載してください。曖昧な「担当者を配置」では不採択になります。

参考・公式情報

補助事業と通常事業の区別が不明確 — 通常の設備更新と区別できない

補助金がなければ実施しない理由を明確に。

補助事業として「補助金がなければ実施しない」または「遅れる」理由を明確にします。通常の設備更新・減価償却更新と区別し、本補助金で初めて実現する取組であることを論理的に説明してください。

参考・公式情報

賃上げ計画との整合性がない — 事業の成果が賃上げにどう繋がるか説明がない

設備導入→生産性→付加価値→賃上げの因果を数値で。

「補助事業(設備導入等)→生産性向上→付加価値増→賃金に還元」の流れを、数値と根拠付きで記載します。賃上げ原資がどこから生まれるか、どの程度を賃上げに回すかを具体的に説明してください。

参考・公式情報

ものづくり補助金の申請書、
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補助金GOなら審査基準に沿ったドラフトを自動生成。配点スコアリングで弱点を可視化し、採択率向上を支援します。

本ページの情報は 時点のものです。申請前に必ず公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。

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